謎の研究

行きつけのカフェのカウンターに見慣れない小さなチラシがあったので、「怪しいチラシで妄想したい」というチラシ・フライヤーマニアとしては無視するわけにはいかず、一枚とってコーヒーをすすりながら詳しく吟味。

片面に「利用登録用紙」というタイトルが大きく書かれ、住所氏名メールアドレス等を記入する欄が設けてある。「必要事項を記入の上、投刊してください」…「投刊」? このチラシと一緒に小さな箱があったので、「投函」の間違いだろう。

一番下に「研究の為のアンケート協力のお願い」とあり「××大学○○研究室よりアンケートを送付」していいかと聞いている。「××大学」は地元でよく知られた大学だが…大学の研究? いったい何の研究?

「使用方法は裏面をご覧ください」とあるので、「使用方法?」とまた「?」を浮かべながら裏面を見ると、「レンタルビニール傘」の利用法と題した説明書きがある。その上には地図があって、十数軒のショップに印がついている。「レンタルビニール傘」が置いてあるショップを示しているのだろう。

どうやらこの「利用登録用紙」は、「レンタルビニール傘」を利用するためのものらしい。帰りに改めてカフェの入り口付近を探すと、ビニール傘を数本収めてダイヤルキーをつけた傘立てがあった。でも裏面の説明書きにカギの暗証番号が明記してあるんだけど…登録する意味あるの? 

帰宅してググると、これは「××大学○○研究室」がおこなっている「社会実験」であることがわかった。しかし、「実験」するまでもなく、住所氏名メールアドレスを登録してまで「ビニール傘」を借りようとする人は、ほとんどいないと思うのだが…。仮にそういう人がある程度いたとして、いったい何を「研究」するんだろう。「ボランティア行為」だというならわかるが、それなら地下鉄でよく見かけるように「ご自由にどうぞ(でも使用後は戻してね)」というメッセージを添えるだけで十分だし…。

登録して逆リサーチしようかと思ったが、「実験」は昨日12日で終了していた。残念。