月に囚われた男

DVDで鑑賞。
「私」とは、「私の記憶」のことである。したがって、個人のアイデンティティーをテーマにした作品は、過去を扱わざるを得ない。しかし、回想しすぎるとストーリー展開がもたもたしてしまう。この映画は、そのあたりのバランスがとてもよかった。
とにかくまじめなSF映画。まじめすぎて物足りないという向きもあるだろうが、私は好感が持てた。「2001年」「サイレント・ランニング」「惑星ソラリス」…幾多の名作SFを想起させつつオリジナリティも失っていない。
監督のダンカン・ジョーンズデヴィッド・ボウイの息子だと、さっきウェブを見て知った。今更で恥ずかしいのですが、『月に囚われた男』っていう邦題は、おそらく「地球に落ちてきた男」を意識してるんでしょうね。