ニセモノ/ホンモノ

少しネタバレあり。
「ツーリスト」の基本は、ニセモノがホンモノだと間違えられる話なのだが、最後にどんでん返しがある。かなり面白く見たのだが、そのどんでん返しで、この映画をどう評価したらいいのかわからなくなってしまった。
ニセモノがホンモノだと間違えられる話は、最後にその「誤解」から逃げ延びればヒッチコック的な話になるし、ホンモノという属性が「ホンモノの男」というような意味合いで落ち着けば文学的な話になる。
「ツーリスト」は、そのどちらでもない。オチから映画全体の話を振り返って、なんだかよくわからなくなってしまった。ちなみに、未見だが原作となったフランス映画も同じスジみたいだ。
そういえば「トスカーナの贋作」は、ニセモノはホンモノ、ホンモノはニセモノという、別の意味でやっかいな映画。