「父」

みんな「父」を求めている。
しかし、「父」などどこにもいない。
なぜなら、「父」たらんとすれば、必ず挫折するからだ。

『心中天使』でいえば、アイは「父」を求める娘、ユウは「父」になろうとして挫折した男、ケイは「父」のいない娘。

「父」を諦めること。あるいは、自ら選んだものにとりあえず「父」の名を与えて、どんな結果になろうが後悔しないと誓うこと。
それが、私が内省によって得たひとつの「マシな」いきかただ。