隙間のある部屋の夢

若い頃から、忙しくて心の余裕がなくなると、決まって見る夢がある。隙間のある部屋で暮らす夢だ。夢の中で、私は今と違う家に住んでいる。ときによって、木造のポロいアパートだったり、何部屋もあるマンションだったりするが、共通しているのは一軒家ではなく集合住宅だということ。私の住む部屋にはなぜか隙間のようなものがあって、他人が住む隣の部屋と繋がっている。その隙間は、当初からある構造的なものだ。控えめな、見ようと思えば隣が見える、行こうと思えば隣に行けるという具合。壁の一部がないというあからさまな場合もあるが、狭い廊下や無意味な小部屋で繋がっていたり、ベランダが共有で仕切りがなかったりという場合もある。ただそれだけの夢で、なにか特別なことが起こるというわけではない。隣人が入ってきたり覗いたりすることもない。私はただただ、その部屋で居心地悪く暮らしているという夢だ。