オール・ユー・ニード・イズ・キル

面白かった。
主人公は死によってループするわけだが、死の恐怖や苦痛が描かれることはほとんどなく、中盤ではそのゲーム的な「死によるリセット」がコメディとして扱われている。その点がいちばん良かった。
トム・クルーズには、こういう深みのないキャラクターが合っている。
脚本もよく整理されていて見事だった。
ただ「なぜループするのか(どうしたらループを抜け出せるのか)」という基本設定は、ほとんど理解できなかった。
まあ他のループ系の作品でも理解できたためしがないので、これは俺の能力の問題かもしれない。
ところで、主人公がリセットされると、ゲームのようにその世界も消滅するのだろうか。
もし量子論多世界解釈のように、主人公の死後もその世界が続く、つまり「どのリタも、明日戦場で死ぬことを知ったまま取り残される」とかんがえると、とたんにこの話が陰気なものに思えてくるから不思議だ。