雑記

プレイヤー、観客、プロデューサー

ウチの隣りがちょっとした空き地になっていた。今思えば家一軒も建たないくらいの狭い場所だったが、近所の子供が集まって遊ぶには十分だった。 そこでよく「三角ベース」をやった。もっとも当時はそういう呼び方はせず、あくまで「野球」と呼んでいたのだが…

音楽と匂い

仕事が終わってから、大学時代の先輩が定期的にやっている80年代音楽のクラブイベントに顔を出す。音楽好きでもクラブ好きでもないのだが、その先輩たちが好きなので、顔を見にというか挨拶しに行った。暗いカウンターでビールを飲みながらぼんやりしている…

死骸を隠す

祖母と歩いていると、道に干涸びたヘビの死骸があった。祖母はそれをひょいとつまんで、道ばたの草むらに投げ込んだ。死骸を隠してやると、いいことがあるのだという。その後祖母にいいことがあったかどうかは知らないが、死骸を草むらに隠す祖母の姿を二三…

あと5年で半世紀だよ

本日45歳になりました。 以上(笑)

マイブーム

私の中に独り飲みのブームが来ているようだ。今晩はとんちゃん屋へ。以前からよく行く所なのだが、一人で入ったのは初めて。私はここの大将が好きだ。大将と言っても30前後の雇われ大将なのだが、受け答えがとても気持ちいい。声が大きすぎず小さすぎず、気…

運命のイタズラ

もしAという出来事が先に起こっていたなら、オレはBということをやらないか保留しただろうに。そういう後悔をすることがたまにある。Bをやってしまってから偶然Aが起こり、やったことと起こったことの間に矛盾が生じ、身動きが取れなくなったりする。そうい…

R2D2大好き

今PCの脇に10cmくらいのR2D2がいる。以前プレゼントでもらったものだ。造形的にちゃんとしたものだが、フィギュアではなく「しょうゆさし」である。シャレなのか、それとも何か必然性があるのか、そのあたりはサッパリ分からない。ドーム型の頭を取ってしょ…

味の野蛮人

仕事が終わって、夕飯を食べようと一人で居酒屋に入った。安さが売りのチェーン店。一人ではめったにそういうところ、居酒屋やバーなど酒を飲む場所には行かないのだが、本日の仕事場の近くで安く夕飯が食べられそうなところはその居酒屋しかなかった。入る…

来し方行く末

若い頃は自分がそれまで何をしてきたかということばかりが気になったが、人生半ばを過ぎた今は、自分にこれから何ができるかということしか気にならない。 若いときに「過去」が気になるのは、その分量が少ないからかもしれない。年を取ると「過去」が多くな…

あいちトリエンナーレ 観客篇

3時間ほどかけて長者町会場を回る。 アーヒム・シュティーアマン+ローランド・ラウシュマイアーの映像作品《Man OS1/extraordinateur》がいちばんよかった。Mac OS時代のMacユーザーなら爆笑もの。とにかく、アナログ的にもデジタル的にも手が込んでいるの…

若い男子と知り合いたい

「政治家は60までは女に狂うが、60を過ぎると男に狂う」 以前テレビで政治評論家がそんなことを言っていたが、何となく分かる気がする。 60にはまだ間があるし政治家でもないが、自分を刺激してくれるような若い男子と知り合いたい(変な意味ではなく)。 そ…

消失点

遠近法を使って絵を描くときは、消失点という点を設定してそこから放射状に線を引き、線と線の幅に従って近いものは大きく、遠いものは小さく描いていく。言い方を換えれば、消失点とは、その絵が表現する空間で最も遠い場所である。 その絵の世界では、そこ…

地下鉄のヘンな女子

真向かいに座った若い女性が、左右まったく別の靴を履いていた。右はローファーというのかパンプスというのか、お出かけ用の白い靴なのに、左はクロックスっぽい合成樹脂の茶色いサンダルだった。見た限りごくごくフツーの女性で、態度にも不審なところはな…

自戒

今日は法律関係の講演を撮影する仕事。最初にセッティングしてしまえば、後はカメラをお守りするだけなので、楽といえば楽。聴衆は全員法律のプロ。講師は大学院教授。法律にまったく疎い私には、4時間のあいだお経を聞いているようなものだった。ときどき意…

賭け

ギャンブルはまったくやらないが、イチかバチかの賭けをよくやる。といっても大したことではなく、例えば道に迷ったとき、人に尋ねたり地図を探したりせずに、カンで道を選ぶようなことだ。当たることもあるが、当然外れることのほうが多く、そういうときは…

深夜と早朝の境目で

現在、仕事で請け負ったビデオ編集の作業中。 もっと早い時間にやっておけばこんな夜更かしをせずに済むのだが、自宅での書き物やビデオ編集は、どうしても夜遅くにしか集中できない。 ついさっき、レンダリング時間30分という表示が出たので、コンビニへ出…

アタマの中

映画「インセプション」の主人公は言う。大切なのは「アィディア」だと。アタマの中の「考え」こそが人を、世界を変えるのだと。彼は妻に、ある「考え」を植え付けてコントロールしようとするが、結果的にそれが彼女と彼の人生を大きく狂わせる。 映画「ザ・…

夏休みの自由研究

小学校三年生の夏、私は先生に分けてもらったモリアオガエルを飼っていた。木の枝に泡の固まりと共に卵を産みつけ、孵化したオタマジャクシがそこから水の中にぽたぽた落ちるという、珍しい生態のカエルだ。 孵化の様子は学校で観察し、オタマジャクシを数匹…

あいちトリエンナーレ 復活篇

ヤン・フードン作品、展示準備のお手伝いで終了だったハズなんですが、今日また上映のお手伝いに。 本日は13時と16時の2回上映。前にも少し書きましたが、広いスペースに設置された9つのスクリーンに、同時に35mmフィルムが映写されます。ヤン・フードンのオ…

ワタクシから遠く離れて

念仏は行者のために非行・非善なり。(「歎異抄」第十八条) 念仏は、これを唱える行者のためには、善でもなく行でもないのであります。(梅原猛訳) 念仏を唱えることは阿弥陀仏に帰依すること。阿弥陀仏の絶対的な救済力=他力の前では、我々の努力=自力…

知らない女

黄昏時、道路を挟んだ反対側の歩道をこちらにやって来る知人を見つけ、会釈した。しかし、どうもそれは人違いだったらしい。数日後にまた彼女を見かけたが、その日とはまったく違う髪型をしていた。よくよく思い出してみると、彼女が髪を伸ばしていたのは十…

クラブ活動

中学のときは理科クラブだった。 熱心な女の先生がいて、水生昆虫と化石花粉の研究をやっていた。 私は化石花粉の研究を選び、土壌から花粉を抽出する方法や、ブレパラートの作り方や、顕微鏡で花粉の種類を見分ける方法などを、先生や先輩から習った。 私が…

ボッコサセ、ツヅレサセ

コオロギが鳴いている。「ボッコサセ、ツヅレサセ」 私の祖母は、コオロギはそう鳴いているのだと教えてくれた。「着物を繕って冬に備えなさい」という意味だという。 ●つづれ【×綴れ】 1 破れをつぎ合わせた衣服。ぼろの着物。ぼろ。つづれごろも。「—をま…

タバコをやめて7年くらいになる。やめてすぐの頃は、時間を持て余したときに吸いたくなることがしばしばあった。最近はその「手持ち無沙汰→タバコ」という条件反射の回路も完全に消え失せ、吸いたいと思うこともなくなった。 そのかわり、時間を持て余してい…

自分で考えることはそんなにいいことか

「雑学王」というクイズ番組を見るとはなしに見ていて不思議に思った。自分の答えを説明するとき、解答者が誰ひとりとして「これ知ってました」「本で読みました」「ネットで見ました」と言わないことだ。解答者は物知りで売っているタレントばかりなのだか…

アブラゼミを見かけない

高校まで暮らした三重県でも、それ以降住み続けている名古屋市でも、セミといえばハネが茶色いアブラゼミだった。幼い頃よくセミを捕ったが、近所でアブラゼミ以外を捕まえた記憶はない。名古屋でセミ捕りをしたことはないが、木にとまっていたり、道で死ん…

今日の出来事

両手に仕事用の機材を持って地下鉄の階段を下りていくと、腰の曲がったおばあさんが手押し車を難儀そうに一段一段下ろしている。大変そうだなあ、というより、お達者だなあ、と思いながら追い越してしばらくすると、後ろから若い女性の声がする。どうやら、…

あいちトリエンナーレ 最終楽章

展示お手伝いから先ほど帰宅。お手伝いはこれで終了。疲れた。ところで、お手伝いで伏見に通う中、珍しいものを見た。ドトールでの相席。珍しくないですか? フツーの喫茶店ならともかく、あのちっちゃいテーブルのドトールで。お昼の混雑時、御婦人二人連れ…

あいちトリエンナーレ part2

「あいちトリエンナーレ」と「のだめカンタービレ」ってなんか似てる…いえ、深い意味はありません。ところで、はてなは記事ごとにリンク元ってのが出る。だから、ある程度有名な固有名詞が記事に含まれていると、その固有名詞をはてなキーワードや検索で辿っ…

あいちトリエンナーレ

今日も中国人アーチスト楊福東(ヤン・フードン)の展示準備のお手伝い。 おととい、開催前なので詳しく書いちゃいけないかなと自己規制したけど、まあいいや、ちょっと書いてしまえ。まずかったら連絡くださいエライ人。読んでないと思うけど。 場所は納屋…